-第40回-
人を活かす仕組み作り(1)
-中小企業がやる氣ある人材を採用する新しい着眼点-
中小企業の経営者とお話をしている時に出てくる共通の悩みに採用難があります。
待遇面では大企業に敵わないから、、、と諦めムードが漂うこの話題ですが、果たして本当でしょうか
給与や待遇面以前に、「働き甲斐」や「働き易さ」といった部分で、
自社の魅力が求職者に伝わっているかを改めて確認しておきたいところです。
ある病院で看護師の応募理由を調査したところ8割が「通いやすいから」と回答しました。
また、ある会社で中途採用の応募理由を調査したところ6割が「働き方が自由に選べるから」でした。
給与や休日といった待遇面の理由はトップでは無かったのです。
最近の景況感の中では、大企業だからと言って生涯働き続けられる保証はありません。
厚生労働白書でも会社選択の理由として「会社の将来性を考えて」は低下傾向にある一方で
「自分の能力・個性が生かせるから」「仕事が面白いから」が上昇傾向にあり、
仕事そのものや自身の能力形成に関わる要素を重視していることが分かります。
仕事の面白さを感じる一つの目安が、「社員の笑顔」です。
多様な価値観や個人の個性が発揮され、
仕事にやりがいを感じていれば自然と笑顔になるものです。
改めて自社の社員がどんな表情をしているか、振り返ってみましょう。
<夢を語る朝礼と障がい者採用をしているA社>
A社は、地元物産を道の駅や通信販売で取り扱っています。
朝礼では登板のスタッフが必ず自分の夢を語ることになっており、
仕事に取り組む意義を社員が自分事として感じる場になっています。
この会社で働きたいという障がい者を採用し、障がい者が働き易い環境を整える中で
大きく生産性を向上させました。
<会社のビジョンムービーを作ることで新卒2名が採用できたB社>
B社は100年の歴史を持つ老舗の和菓子メーカーです。
採用に力を入れてもお金が掛かるばかりで新卒の採用は諦めていました。
ところが、会社のビジョンを表現するムービーを作成し、合同企業説明会のブースで流したところ、
当社のブースには行列ができ創業以来初めて2名の新卒が採用できました。
ムービーはこちら→https://www.youtube.com/watch?v=WbBX3jXxWVw
<社員教育に力を入れ募集を掛けなくても応募がくるC社>
C社は電気機器の卸売業です。社長が社員教育に熱心で、定期的に著名人を呼んで勉強会をしています。
社員が会社を辞めて独立することにも肯定的で、「いつかは独立」を目指す社員はやる氣に満ちています。
特に積極的に社員を募集をしていないのですが、社員や社員の口コミで応募が途切れません。
上記3つの例は、いずれも社員の個性を活かす動きをしています。
このように、多様な人材を活用して企業の業績を上げていくことを「ダイバーシティ経営」といいます。
経済産業省でも力を入れており、様々な事例を紹介しています。
ダイバーシティ経営100選↓
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/index.html#page01
ぜひ参考にしてください
次回は、実際にどのような仕組みを作っていくのかをご紹介します。
NPO法人中野中小企業診断士会 鈴木佳文
やる氣ある新卒採用に繋げたムービー作成の秘密を1/18(水)、2/1(水)、2/15(水)、3/1(水)の
4回連続でお伝えし実際に作成していく講座を中野区産業振興センターで実施します。
ぜひ、ご参加ください。
3月11日は合同企業説明会を実施予定で、10社限定で参加企業を募集します。
12月下旬から1月上旬には公開予定です。