-第191回-
会議の生産性をあげるためのコツ(2)
- だらだら会議をなくす4つの条件 -

 前回は、会議の生産性を上げる方法として、「ルールや事前準備事項を決めておく」「会議の達成目標を設定する」の2つを紹介しました。今回は、残りの2つを紹介します。

1.洗い出しはあらかじめしておく

会議の目的には、「①決断する」「②問題点や不足、課題の洗い出しをする(リストを作る)」「③情報共有する」「④合意する=説得する=納得してもらう」「⑤ 段取りや役割分担など、次のステップを決める」があります。本来、会議は意思決定の場であるはずなので、目的はなるべく①④⑤に絞りたいところです。

「②洗い出しをする」ですが、よくあるのが議長が「何かありませんか」とみんなに声をかけるというパターンです。いわれた方はポツポツとその場で思いついたことを発言するのですが、大抵はそのうち煮詰まってしまい、微妙な空気が流れることになります。それを防ぐために、あらかじめ各自でリスト化しておいてもらうということもありますが、各自に発表してもらっていると時間がかかりますし、多くの場合はかなり話が重複してしまい効率的ではありません。

そうであるならば、異なる意見を持つ2人程度にのみあらかじめリストを作っておいてもらい、会議の場では、不足分だけを他の人が追加するというスタイルの方が効率的です。

また、「⑤段取りや役割分担など、次のステップを決める」ですが、これは前回の「会議の達成目標の設定」で述べたように、次のアクションにつながりやすい目標をセットする工夫が求められます。

2.資料を読み上げさせない

 よく会議の場で自分の資料を読み上げにかかる人がいます。はっきりいって迷惑なだけですが、「せっかく本人が作ってきたのだから思う存分話させてやろう」と割と寛容な雰囲気だったりします。

発表者にはまずは「他人の時間をとっていること」「会議の生産性を阻害していること」を意識してもらう必要があります。

これまで述べたように資料は事前配布が基本です。もしそれができないのなら、作成者が読み上げるより、その場で各自で読んでもらったほうがおそらく早いでしょう。話す時間が10分くらいかかる内容なら、一読するのに2分程度で済むのではないでしょうか。それでわからないところがあれば質問すればよいのです(発表者に話してもらってもどうせわからないことは出てきます)。

3.「決めること」に専念する

ダラダラしている会議は苦痛なのにそれを続けてしまうのは、なんとなく「みんなで話し合ったほうが良い」という思い込みがあるからではないでしょうか。もちろんみんなで力を合わせることで個人では不足する部分をカバーすることができます。しかし、ただ単に「みんなで話していればよいアイデアが出る」というのは幻想にすぎません。

 ムダな部分は省き、会議の目的である「決めること」にできるだけ専念したいものです。

NPO法人中野中小企業診断士会 三枝元