-第35回-
「資金繰り」を良くするには(2)
~資金繰りは、どうやって改善したらよいのか~

前回のメルマガで資金繰りが厳しくなる原因をお伝えしました。今回は資金繰りの改善策についてお話しします。資金繰りを改善するための対策には以下のものがあります。

(1)売掛金の管理を徹底する
・得意先ごとに売掛金を管理し、期日に入金がなかった場合はすぐに督促するなどして回収に努める。

(2)売掛金の回収時期を早める
・取引先の理解と協力を得るのが大前提であるが、売掛金の入金時期を早めてもらう。
・あるいは、値引きをするなどして現金販売に移行していただくよう依頼する。

(3)在庫管理を徹底する
 ・必要以上の在庫は持たないようにする。
 ・不良在庫があれば、仕入れ価格より安くても売却し現金化する。

(4)支払の時期を延ばしてもらう
 ・これも仕入先や外注先の理解を得た上で慎重に行う必要があるが、代金の支払時期を延ばしてもらう。

(5)使っていない資産を売却する
 ・機械や什器、備品で使っていないものがあれば売却してお金に換える。

(6)費用を見直す
 ・費用の内容の見直しを行い、無駄な費用があれば削減する(保険料、各種会費など)。
・法人であれば、役員報酬が高額ではないか吟味し、必要なら減額を検討する。
 
(7)公私をしっかり区別する
 ・事業用の資金は事業のみに使い、代表者等に貸付けや仮払いを行わないようにする。

(8)取引先を慎重に選ぶ
 ・新規取引を始めるときは、その取引先の評判を他社や金融機関に聞く、必要であれば信用調査を行うなどして、時間をかけて慎重に選ぶ。
  
上記以外にも資金繰りの改善方法はいろいろとありますが、根本的な考え方としては、事業活動によって利益を出し、お金を増やして、回収をきちんと行い、無理なく支払を行えるように徐々に事業体質を変えていくことです。

過去の業績の把握は税理士に任せることはできても、資金繰りはこれからの事業の良し悪しを左右するものですので、事業者が自らが予測し注意深く行うしかありません。

上記を参考に、ぜひ資金繰りの改善を行ってみてください。

   
NPO法人中野中小企業診断士会 近藤有希子