-第25回-
  起業に役立つはなし(2)
~起業には「できること」×「熱い想い」が重要~

 前回は、起業には、まず、成し遂げたいことを考えるについてお伝えしました。では、その後に続くよくある質問です。「私に何ができると思いますか?」えっ?と驚かれるかもしれませんが、性別、年齢など関係なく多い質問です。起業のきっかけを求めて、ご相談や起業セミナーに来られる方々がおられます。その方々に次にお伝えしたいのは、「できること」と「熱い想い」です。
 
1.「できること」
 まずは、今までのご自身の棚卸をしてみましょう。できること、得意なこと、今までの経験、スキル、実績など、昔にさかのぼっていろいろ思い出してみましょう。成功から得られたこと、失敗から得られたこともあるでしょう。今、資格を習得しようと学んでいることもあるでしょう。その内容を一生懸命、たくさん書き出してみましょう。アナログかもしれませんが、手で書き出すことでいろんなことが思い出されます。整理する必要はありません。まずは、考えられるものはすべて出すことが重要です。

2.「熱い想い」
 ひょっとしたら、「できること」を書いている間に「こんなことできるのでは、じゃないかな?」「これって、必要なものじゃないかな?」「知人が欲しいって言っていたこと、私にできるかも?!」など、ふつふつと湧いてくるものがあるかもしれません。これが、起業のアイデアにつながっていきます。そのアイデアで起業する際に考えてほしいのは、ずっと熱い想いを持ち続けることができるかという事です。いくら良いアイデアでも、熱い想いを持つことができなければ、起業して成し遂げたいことを実現することができません。そのためにも、ずっと熱い想いを持てるものを見つけることが大事です。

〈大好きなことからの起業で、多くの顧客を集めている例〉
 Bさんは、今までの経験を活かして、何か起業できないかと考えるようになりました。「できること」をたくさん出して考えたところ、子供の頃から学んでいた大好きな茶道で起業しようと決めました。日本へ来る外国人観光客におもてなしをしたいという熱い想いから、現在、多くの外国人観光客へ茶道でおもてなしをしています。

ぜひ、起業を検討する際には、「できること」×「熱い想い」を持てるものを考えてみてください

NPO法人中野中小企業診断士会 福島律子

中野区産業振興センターでは、5月17日に商店街で起業した人のための事例研究講座を行います。以下のページから申し込みができます。ぜひ、ご参加ください。