-第142回-
物流改善のための仕組み作り(1)
-トヨタ式問題解決手法による物流改善―

私は、企業で改善活動に永く携わってきました。ここではトヨタ式問題解決方法を利用した改善活動の内容、仕組み作りについて解説したいと思います。

改善活動にはさまざまな進め方、やり方がありますが、共通しているのはPDCA(Plan、Do、Check、Action)を回すこととされます。それに、ECRS法、5W1H法といった切り口を加えて、実際の改善を行います。しかし、このPDCAというのが、実は簡単そうで難しくて、具体的に進めるにはどうしたらよいのかよくわからないことが多いと思います。
 
その際に参考になるのが、トヨタ式の問題解決です。PDCAや問題解決といっても、具体的にどのように考えて対応すればよいのかわからないケースが多いですが、トヨタ式の場合は、その考え方、特にPlan(計画策定)の部分が明確化されており、理解すれば誰でも取り組めるようになっています。

ステップ1 問題の明確化(問題を明確にする。) 
ステップ2 現状把握(問題を層別し、問題を特定する)
ステップ3 目標設定(目標を設定する)
ステップ4 要因解析(真因=真の原因を特定する)
ステップ5 対策立案(真因に対する対策を立案する)
ステップ6 対策実施(実行計画もとづいて対策を実行する)
ステップ7 効果の確認・評価(結果を取り組み過程を評価する)
ステップ8 標準化(成功のしくみを定着させ、横展開する)

PDCAを8段階に分解したフレームワークで、Pがステップ1~5、Dがステップ6、Cがステップ7、Aがステップ8です。各ステップのポイントは次の通りです。

ステップ1 問題とは、「あるべき姿」と「現状」とのギャップと定義されます。重要なのは、現状を三現主義に基づき数値で捉えることです。三現主義とは、現地、現物、現実のことで、物流現場に実際に足を運んで、現状を良く確認することが重要です。

ステップ2 大雑把に把握している問題を絞り込んで、優先順位付けして優先的に対応するべきと判断した問題 = 「問題点」を見つけるステップです。4W2H(When、Where、Who What、How much、How many)などの切り口で問題を絞り込むことです。

ステップ3で、絞り込んだ問題=問題点に対する目標を設定します。絞り込んだ問題に対して的確に数値目標設定するためです。

ステップ4 これが有名な5回なぜを繰り返すステップです。ステップ2と同様に、QCD(Quality、Cost、Delivery)などさまざまな視点から考えて、問題点を引き起こす本当の原因(真因)を追求します。

ステップ5 真因に対して対策を立案します。ここでもECRS(Eliminate、Combine、 Rearrange、Simplify)法など複眼的な視点からさまざまな対策を検討する必要があります。

ステップ6~8はPDCAのDCAで、計画に基づいて実行、評価・見直し、標準化を行います。Pで作った計画をしっかりとスケジュールに沿って実行し、効果検証、定着化を行います。

この問題解決手法による改善活動を定着させることで大きな成果を上げることができます。

NPO法人中野中小企業診断士会 田中浩二