-第119回-
掛け声だけで終わらせない女性活用
- 女性が活躍できる環境を整えるために -

「女性が活躍できる環境であることを発信すると良いのは分かったけれど、うちはそんな環境は作れないしなぁ、、、」

前回のコラムを読んで、こんな風に感じられたかも知れません。
どんなことをイメージしていますか?

前回のコラムでは、もともと中小零細は女性の活躍が前提であったことを書きました。
女性活躍推進の法律は、「男性上位の社会風土において女性が活躍できない」という前提を持っています。中小零細とは持っている前提が違うのです。

(事例)ブラックな就業環境なのに女性がイキイキと働いているC社
C社は、従業員3名の飲食店です。店主以外は女性のアルバイトですが、早く利益を上げて正社員にしたいと社長が意気込んでいます。早朝から夜まで、長時間残業が当たり前のお店ですが、仕事を任されてイキイキと働いており、給与にも不満が出ていません。

このような例もあります。働き方の前提が違うので、世間的にはブラックでも社長の思いに共感してくれた社員は女性でもモーレツに働いてくれるのです。C社の場合には、就業規則も厳密に運用されていないので、遅刻をしても、シフトに穴を空けても、お互いに助け合って対応しています。この柔軟性こそが、中小零細企業の強みなのです。

一方で、社員の努力に頼っていては長続きしません。

そのために、前回のコラムで事例に挙げたB社のようにテレワークの環境を整えることも一つの方法です。

また、マニュアルを整備して同じ仕事を全員ができるようにする、お互いに助け合って繁忙期でも休む必要がある人が休めるようにするといった対応で環境は整っていきます。

大切なのは、社員それぞれに向き合って事情を汲み取ること。
個々の社員が能力を最大に発揮できる環境を整えることに意識を集中することです。

イメージが湧かない方は、中野区で用意している『どこでも出張相談』などの制度を利用して専門家にご相談ください。

参考までに厚生労働省がまとめたパンフレットをご紹介します。以下のリンク先をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000487084.pdf

NPO法人中野中小企業診断士会 鈴木佳文