-第118回-
掛け声だけで終わらせない女性活用
- 中小企業だからこそできる女性活躍推進 -

「女性活躍推進って話だけ聞くけれど、私たち零細企業には関係ないですよね」
そのようなイメージをお持ちの社長さん何人かとお会いしましたが、本当にそうでしょうか?

法律が施行され、国や自治体の支援策が多種多様に出てきています。
クローズアップされてきたので冒頭のお話につながる訳ですが、中小零細企業の現状を振り返ってみましょう。
勿論、業種などにより差はありますが、性別に関係なく社員に力の発揮を求めてきたのではないでしょうか。
国や自治体に言われるまでもなく、女性を活躍させてきたのが中小零細です。
であれば、うまく国や自治体の支援策に乗って、経営力を高めていった方がお得ですね。
本コラムでは、施策活用以前の中小企業で女性活躍推進をするポイントを考えていきます。

(事例)元キャリアウーマンの主婦に活躍して貰っているA商店街
A商店街は加盟店数80店程度の近隣型商店街です。店主の高齢化や商売の状況から事務員のパートを募集することにしました。そうは言っても募集広告をする予算もなく、地域の主婦に向けて事務所に貼紙をするに留まりました。「子供連れで勤務可」の条件に複数の申込があり、元キャリアウーマンの主婦を採用することができました。店主達が出来なかったホームページの更新など様々な事務作業を短時間で処理して貰え、商店街活動の効率が向上しました。

このように、女性を意識した採用条件にするだけで、採用難の時代に即戦力の人材に働いて貰うことができます。

(事例)女性の応募が途切れず、採用に困らないB社
B社は従業員10名のサービス業です。社長の方針で完全テレワーク(在宅でパソコン通信などで会社と繋いで仕事をする)などを打ち出しており、自由な働き方を魅力に感じて女性の応募が途切れません。定員に対して多数の応募があるので、能力も意欲も高い人材を苦労することなく採用することができています。

B社の場合には女性を意識している訳ではありませんが、結果として女性の応募が多くなる状況になっています。

上記2社の事例以外にも、採用に繋がったケースがあります。女性が活躍できる環境であることを発信するだけで、採用力がアップするのです。

NPO法人中野中小企業診断士会 鈴木佳文