-第95回-
補助金や助成金を活用して経営力をアップする
-手元にキャッシュが無くても投資はできる-

「先生、〇〇をした方が良いのは分かるんですが、お金が無くて出来ないんです」
支援先からこんなことを言われることがあります。

このコラムを読まれている皆さんは如何でしょうか?
余裕資金が無いからと、『やった方が良いと思っている」ことを先送りしていませんか?
もし、思い当たることがあればこのコラムがヒントになるかも知れません。

やりたいことが明確になっている方は、「どこでも出張相談」や「窓口相談」を活用して専門家に尋ねてみましょう。自分で探すのは大変ですが、やりたいことに対して何かしら対応する補助金や助成金は思っている以上に見つかります。存在をしらないだけで損なので、ぜひアンテナを立てておいてください。

(事例)助成金の存在を知らず、ポケットマネーで社員育成を行っていたA社長
A社は社員数10名のサービス業です。若手社員の育成に熱心な社長は、会社で予算が組めない状況に苛立ち、自分のポケットマネーを使って外部講師を呼ぶなど頑張っていました。ある時、講師を依頼した経営コンサルタントに助成金について教えてもらい、「もっと早く知っていればポケットマネーで依頼することも無かった」と、紹介された社会保険労務士に頼んで助成金を活用するようになりました。助成金で負担が軽減されるので、会社として予算が組めると喜んでいます。

このように、知っていると得する制度が沢山あるのです。

(事例)補助金を活用して店舗の改装をしたB社長
B社は従業員4名の飲食業(テイクアウト専門)です。伸び悩む収益の状況からイートインスペースの設置を考え始めた社長ですが、どう考えてもお金が足りません。中野区のどこでも出張相談を利用して相談したところ、ぴったりの補助金を紹介されて申請に踏み切りました。経営コンサルタントのサポートを受けて申請したこともあり、見事に申請が採択されて無事に改装することができました。改装した効果で売上が2倍以上に伸び、これに味をしめた社長は続けて補助金を申請しようと準備しています。

このように、お金が無いからと諦めずに補助金を活用することで、経営力をアップさせることが可能なのです。

国でも、東京都でも、中野区でも、中小企業の経営力を高めるために様々な制度を用意しています。
まずは、「自社が取り組みたい事」を明確にしてみてください。

次回は、どうやって補助金や助成金を探していくかについてお伝えします。

NPO法人中野中小企業診断士会 鈴木佳文