-第74回-
クラウドと無料ツールを徹底活用!お金をかけない創業(2)
¬― 業種/業務別で見るオススメのクラウドサービスはコレ ―
今回は、創業時にオススメのクラウドサービスを業種/業務別にご紹介します。
1.全業種向け/経理業務 → 『クラウド会計サービス』
クラウド会計サービスは、TVでもコマーシャルが流れるようになり、かなり一般的になってきました。ここまで普及した最大の要因は、経理の知識が無くてもすぐに使えること。銀行やカード会社と連携すれば、入出金を自動的に取り込こんでくれます。さらに最近のサービスは、AIや自動認識による自動仕訳の機能もあるので、クリック1つで記帳が完了します。
また、各サービスは税理士や会計事務所と連携しているので、所在地や業種に合った会計事務所を紹介してくれます。自分で記帳してコストセーブしながら、税務申告や困ったときには専門家に相談したいという創業者にオススメです。
代表的なサービスは、「freee(フリー)」、「MFクラウド会計/確定申告」、「やよいの青色申告オンライン」など。「freee」は自動仕訳の機能が充実していて、簿記が苦手な人でも使いやすいインターフェース、「MFクラウド会計/確定申告」は15伝票/月以内は無料で利用でき、連携するサービスが豊富、「やよいの青色申告オンライン」は会計ソフトの老舗が提供していて、パッケージ版と同様の豊富な機能が特長です。
2.店舗展開業種向け/POS・決済業務 → 『クラウド型POSレジ+決済サービス』
飲食業や小売業など店舗展開する業種では、クラウド型POSレジと各種決済サービスの利用が進んでいます。クラウド型POSレジの中には、「Airレジ」や「ユビレジ」、「スマレジ」のように基本的なレジ機能は初期費用、月額費用ともに無料で利用できるものもあり、スマホやタブレットを用意するだけですぐに始められます。クラウド会計ソフトとの連携や在庫管理、顧客管理など、サービスごとに業界や機能の強みが異なるので、自社に合ったサービスを選択しましょう。
また、同時に利用を検討したいのが各種決済サービス。今後は、クレジットカードだけでなく、FelicaやApple Pay、QRコードなどへの対応も見逃せません。いずれも手数料がかかりますが、若年層や外国人をターゲットにする場合は来店客増による利益と手数料を比較して検討することが必要です。
3.法人顧客事業向け/受注・代金回収業務 → 『受注・代金回収サービス』
BtoBともいわれる法人顧客向け事業の場合、受注と代金回収は避けて通れない重要な業務です。特に、創業間もない中小企業の場合は、お客様の要望に合わせて様々な値引や決済条件をのまなくてはいけないケースも出てきます。お客様ごとに異なる条件に合わせて注文書や請求書を発行し、入金まで管理する手間を省いてくれるのが、受注・代金回収サービスです。
受注サービスでは、「Bカート」のように取引先別に仕切率や決済条件が変更できるサービスであれば法人顧客向けにも利用でき、24時間受注を受け付けることができます。
一方、代金回収サービスの基本的な機能は、取引先と請求情報を登録すれば、取引先ごとの決済条件に合わせて請求書発行から代金回収までサービス会社が行ってくれます。サービスの中には、「Paid」のように取引先が未払でも支払保証してくるサービスもあるので、与信を気にせずに取引できます。
2回にわたって創業時に利用したいクラウドサービスを見てきましたが、クラウドサービスを導入する最大のメリットは生産性向上による本業への集中です。経理や受発注などにかける時間や人手をセーブして、限られた経営資源を接客や営業などの本業に集中することでスタートダッシュを図りましょう。
NPO法人中野中小企業診断士会 木佐谷 康
中野区産業振興センターでは、創業希望者のための6回連続講座(6/16・6/30・7/14・7/28・8/18・9/1)を実施します。これから創業をお考えの方、後継者育成をご検討のは是非ご活用ください。
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