-第67回-
人材採用のポイント(1)
- 採用のための3つのノウハウ -

私は人材の採用を多く手がけておりますが、現在のような売り手市場では、とても苦労するケースもあります。皆様も採用で苦労されているのではないでしょうか。
こうした状況でも、事業継続のためには、必要な人材の採用をあきらめるわけ位にはゆきません。

私は採用には一種、ノウハウがあると思っています。それは、企業の労働条件や賃金など待遇の違いをアピールするだけではありません。
企業の採用手段の選び方、採用担当者の魅力、企業の情報発信がポイントです。
その差が、人材を採用できている企業と、人材が確保できていない企業の差になります。

一つ一つ見てゆきたいと思います。
まず採用手段。採用手段としては、ハローワーク、就職ポータルサイト、就職情報誌、知人・友人の紹介、自社ホームページなどさまざまな手段があります。

ハローワークはコスト的には安いですが、募集の数が少なく、人材の質が不揃いとなりやすい傾向があります。
就職ポータルサイトは、募集の数は多くなり、人材の質も一定レベル以上となりますが、コストも高くなりがちです。知人・友人の紹介ですと、
コストは安く、人材の質も一定レベルとなりますが、募集の数としては少なくなってしまいます。
自社ホームページは、現在では当たり前のもので、コスト的には安いですが、募集の数がではほとんど期待できません。

このように採用手段それぞれに一長一短があります。それを理解して、上手く使い分けることがノウハウとなります。
就職ポータルサイト一つとっても、さまざま媒体がありますので、どの媒体を使うのか検討が必要です。
また、知人・友人の場合は普段からの付き合いなどが重要となります。一つの手段にこだわることなく、複数の手段を同時に併用してゆくこともポイントです。

定期的に採用する場合ならノウハウも蓄積されていきますが、不定期な採用の場合、急な対応ではうまくゆかないケースが多くなってしまいます。
普段から採用について情報を集め、さまざまな人的ネットワークを築くことが重要です。

例えば、新卒高校生を採用する場合、ハローワーク経由で募集することになります。ただし、事前に高校を訪問しておき、自社のことをアピールしておくことも必須です。
現在、高校生の進学率は高まっており、就職率は非常に低くなっています。そのため、採用に至らないケースが多いと多いと思います。
私の知っている企業のケースでは、知人や社員などからの紹介での中途採用を併用していた企業もあります。新卒高校生と中途採用で計画採用数を達成できたこともありました。

次回は、採用担当者の魅力と企業の情報発信について説明します。

NPO法人中野中小企業診断士会 田中浩二

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