-第53回-
事業コンセプトを明確にする(2)
- 事業コンセプトの策定方法 -

3.他社の事業コンセプトについて

前回は、なぜ事業コンセプトの明確化が必要なのか?について、事業コンセプトを明確にするの意義と、事業コンセプトの構成要素について学習いたしました。
 今回は『ニッチ』を事業コンセプトにして成功している企業を御紹介いたします。
※カッコ内が事業コンセプト。

小売業   惣菜宅配業(1人暮らしのお年寄りに安心で安全な惣菜を提供)
      持ち帰り餃子専門店(自宅で熱々の餃子を、店頭で製造しているので新鮮)
      ハーバルファーマシー(女性に健康な土壌は育んだ100%オーガニック製品を)
      有機野菜専門店(子育て世代に無農薬 無肥料で安心・安全な野菜を提供)

飲食業   メロンパン専門店(本当に美味しいメロンパンを追求。選りすぐり素材使用)
      おにぎり専門店(ふっくらとした、暖かい大きなおにぎりを一口食べると
      思わず笑みがこぼれる)

サービス業 10分カット(忙しいビジネスマンに10分で1,000円 10分間の身だしなみ)
料理レシピサイト( 企業と顧客が共感をベースに共創)

4.具体的に事業コンセプトを策定してみよう

前月のテーマでは、あるアクセサリー店の企業に向けたアイデアを御紹介いたしました。
この業態での事業コンセプトを考えて見ましょう。

①どのお客様をターゲットにするのか⇒アクセサリーのデザインに敏感な女性。今までの定番のアクセサリーには満足できない女性および男性
②どんな商品・サービスを売るのか ⇒他の店にない特徴があるデザインのアクセサリー。パワーストーンと組合わせたデザイン。
③いくらで売るのか        ⇒他の店で売られている価格より値ごろ感のある価格帯。
④どのような販売方法で売るのか  ⇒店頭と卸店及びインターネット。
といった内容です。

次回のテーマは事業計画ですが、通常はこの事業コンセプトが中核となって事業計画が策定されますのでこの事業コンセプトを決めることは非常に重要な作業です。
ぜひ、細部の検討に入る前に事業コンセプトをしっかり検討してください。

NPO法人中野中小企業診断士会 林啓史