-第52回-
事業コンセプトを明確にする(1)
- なぜ事業コンセプトの明確化が必要なのか? -

1.事業コンセプトを明確にするの意義とは?

前月では「起業するにあたってのアイデアをカタチにする」ことの重要性を学習しました。

具体的には、客と商品・サービスを軸に考え、その上で例えば、
□ 今の顧客に今の商品・サービスを提供できないか。
□ 今の顧客に新商品・新サービスを提供できないか。
□ 新しい顧客に今の商品・サービスを提供できないか。
□ 新しい顧客に新しい商品・サービスを提供する
等々でしたね。
どの土俵で勝負するかのアイデアは十分出尽くしましたね。

そこで今月は、より具体的な起業についての学習をしましょう。

事業を始めるにあたって一番核となるのが今回学習する「事業コンセプト」の明確化です。
その事業がどんな内容でどんな特徴であるかを簡潔に表した内容です。
具体的には『誰に(Who)』『何を(What)』『どのように(How)』『どこで(Where)』『いくらで(How much)』といった観点で考えることです。

この『事業コンセプト』が明確になることによってより効率的な企業活動が出来るようになります。

2.事業コンセプトの構成要素

 マーケティング的にいうと、『立地条件』『市場環境』を設定して『ターゲット』を明確にし、その上で『商品特性』を決定することを言います。

 簡単に述べると以下の4つに集約されます。
①どのお客様をターゲットにするのか⇒市場の選択
②どんな商品・サービスを売るのか ⇒取り扱い商品の選定
③いくらで売るのか        ⇒価格帯の設定
④どのような販売方法で売るのか  ⇒販売促進方法の決定 
 
事業コンセプトを策定するにあたって、創業の際に意識すべきことは『ニッチ(すきま)』を狙っていくべきであるということです。

 一般的にニッチとは『小さい売上の市場』と思われていますが、そんなことはありません。これから市場が大きく伸びる可能性のある市場だともいえます。

次回はこの『ニッチ』を事業コンセプトにして成功している企業を御紹介いたします。

NPO法人中野中小企業診断士会 林啓史