-第39回-
採用活動の枠組みと採用基準作成のヒント(2)
~採用基準作成のヒント~

前回は、採用活動の枠組みについて、お伝えしました。今回は、その中でも、採用基準に焦点を絞り、作成のヒントについて事例を用いてご紹介します。

<事例>
A社は、社員30名、社歴50年、地域に密着した建設会社です。近年、住まいを取り巻く環境は、新築よりも、リフォームのニーズが高くなってきています。そこで、A社では、お客様ニーズを受け止め、感性を生かして提案できる人材育成に力を入れています。
〇A社の求める人材像
 「柔軟な発想で、お客様のニーズを受け止め、その実現に向けて創意工夫ができる人」
〇A社の採用基準
(1)適性
 協調性:組織人として、周囲の人と協力して行動できる態度
 積極性:自ら進んで改善などに取り組む姿勢
 計画性:時間意識をもって物事を進めようとする姿勢
 責任感:困難な業務であっても、最後までやり遂げる姿勢
 柔軟性:前例にとらわれずにその場の空気を読んで対応できる姿勢
(2)能力
 発想力:ニーズに基づき、考えを形にしていく能力
 創造力:新しい考え方、新しいやり方を生み出す能力
 課題解決力:問題の原因を分析して、それを処理していく能力
 コミュニケーション力:他人との意見交換や意思の疎通をスムーズに行える能力
 実行力:計画したことを確実に行動に移せる能力
 リーダーシップ能力:周囲の人の共感を得て、引っ張っていく能力
 表現力:考えていることを明確に相手に伝える能力
 傾聴力:相手の話を最後まで聞き、その心情も受け止める能力
(3)意欲
 挑戦意欲:新しいこと、困難なことに取り組んでみようとする意欲
 向上心:仕事に必要な知識やスキルをアップしていこうとする意欲
 目的意識:常に物事の意味を考えながら対応する意識
 コスト意識:費用対効果のバランスを見られる意識

期待と異なる人材を採用して後悔することの無いよう、基準の策定は非常に重要です。自社の基準を作るにあたってA社の事例を参考にしてみてください。

NPO法人中野中小企業診断士会 鴨志田栄子

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