-第36回-
資金調達(借り入れ)について(1)
〜有利な借り入れができる支援策があります~

この夏は、リデジャネイロ・オリンピック、パラリンピックでの日本選手の活躍が、連日テレビ、新聞の記事をにぎわせました。みなさんも選手たちの活躍を応援する熱い毎日だったのではないでしょうか。いよいよ2020年は東京オリンピック、パラリンピック。建設関係や訪日観光客へのおもてなし関連のお仕事など、いろいろな分野で事業拡大、新規のビジネンスチャンスがやってきます。みなさんはどのようなビジネスプランをお考えでしょうか?

起業や新しいビジネスプラン実現、事業拡大にむけて、中野区では金融機関から有利な条件で融資が受けられるように、金利の一部を負担して支援する制度(中野区産業経済融資)を準備しています。
起業や事業拡大の資金手当てにあたり金融機関の借り入れを検討されている方は、ぜひご検討ください。主なものを以下にご紹介します。

新しく創業される方には、創業支援資金という制度があります。
 区内でこれから創業する方、創業して1年未満の事業主の方むけに、1000万円までの資金が年利0.4%の金利負担で金融機関から借りられるよう支援する制度です。
中野区内の商店街に出店される方にはさらに金利を優遇する制度もあります。

すでに区内で事業を1年以上営んでいる方には、一般融資という、必要な事業資金を低金利で借りられるように金融機関にあっせんする制度があります。
店舗、工場の改修費用や機械器具の購入費用、仕入れや支払手形決済の運転資金などの事業資金について、3000万円までの資金が年利1.3%の金利負担で金融機関から融資がうけられるよう支援します。

小規模企業者(製造業等では従業員20人以下、卸・小売・飲食・サービス業では5人以下の事業所)に該当される場合は、1250万円までの資金が年利0.8%の金利負担で金融機関から融資がうけられるよう支援します。

ICT・コンテンツ関連の事業、ライフサポート関連の事業をされている方には、3000万円までの資金が年利0.4%の金利負担で金融機関から借りられる、特別融資という優遇制度もあります。また、区内の商店街にお店を出し商店会に加入されると、さらに金利が優遇されます。

いずれの制度も、中野区による審査を受けて通った方が対象になります。また、金利の負担以外に、信用保証協会の保証料は必要になることが一般的です。手続きは、一般融資と特別融資では異なります。次の例をご覧ください。

 区内で居酒屋を経営しているAさんは、外国人観光客の和食人気の高まりを期待して、外国人にも気軽に入りやすい店内のレイアウトの変更、設備の一新を考えています。Aさんのケースは、「一般融資」の申し込みができそうです。まず取扱金融機関に融資申し込みの手続きを行ってください。金融機関で区への「あっ旋申込書」を受け取り、中野区産業振興センターあて「あっ旋申込書」と必要書類一式を提出していただき、審査等の手続きに入ることになります。

 医療機器メーカー勤務の経験、人脈を生かし、先進的医療機器の輸入販売業を起業しようとしているBさんには、3000万円までの「特別融資」を受けるチャンスがあります。特別融資」の場合は、まず産業振興センター2階へおこしください。そこで手続きの流れをご案内し、区の商工相談員が審査したのち、金融機関にあっ旋させていただくことになります。

各制度の内容、手続きについて詳しくは以下のホームページ
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/guide/010/003/index.htmlをご覧いただくか、中野区産業振興センター 2階 融資受付窓口(tel:03-3380-6947 平日9時から17時まで)あてお問い合わせください。

みなさんの、ビジネスプラン実現に活用されることを期待しています。

 NPO法人中野中小企業診断士会 山口尚彦