-第171回-
創業前にやっておくべき初歩の初歩(2)
~知らないと後悔する3つのポイント~
前回は、創業に当たって「心得ておくべきこと」を見てみました。創業するということは結構大変なことだということはおわかりいただけたかと思います。それでもやはり創業したい、自分で仕事をしていきたい、と思う方は大勢いらっしゃることでしょう。
今回は、創業後の苦労を少しでも軽くするために、創業前にぜひやっておきたいポイントを「お金」「人脈」「情報」の3つの面から解説します。
(1)お金
①自己資金をコツコツ貯めておく。
創業を考えているのなら、会社員時代からお金を地道に貯めていく努力が必要です。事業が軌道に乗るまでの生活費の確保はもちろんですが、事業に充てるための自己資金を事前に蓄えておくことで、創業後のお金の不安が解消できます。
②各種の支払いをきちんと行っておく。
お金を準備することも大切ですが、支払うべきお金(公共料金、家賃、住宅ローンなど)をきちんと支払ってきたかという実績も大事です。今後、もし融資を受ける場合に、金融機関は創業前の「お金の支払い振り」を必ずチェックするからです。
③クレジットカード・ローンカードを作っておく。
まだ持っていない方は在職中に必ず作っておいてください。会社に所属している間は「安定収入がある」ということで審査が通りやすいですが、創業後は審査が通りづらくなります。
(2)人脈
①勤めている会社の上司・同僚
現在お勤めの会社の方とは良い関係を築いておきましょう。あなたが創業した後、真っ先に顧客になってくれたり、あるいは顧客を紹介してもらえる可能性があります。
②既に創業している同業の先輩
良き相談相手になってくれて、様々なノウハウを教えてくれるかもしれません。また、創業計画書を作った場合には、先輩に見てもらうことで、改善点を指摘してもらうとよいでしょう。
③業界団体の会員
創業分野の業界団体に加入して会員になることで、同業者とのつながりが生まれます。経験豊富な会員は惜しみなく知識やノウハウを教えてくれるはずです。団体内でセミナーや交流会が行われることもありますので、ぜひ参加してみましょう。
(3)情報
創業に当たって「情報不足」は致命的なダメージとなりかねません。必要な情報は創業前にできるだけ集めておきましょう。以下、目的別に情報源をいくつかご紹介します。
●創業の基本を知りたい(小冊子)
・「夢を実現する創業」(中小企業庁)
・「創業の手引」(日本政策金融公庫)
●創業に関する各種情報が知りたい(HP)
・「J-Net21」(中小企業基盤整備機構)
・「ミラサポPlus」(中小企業庁)
●業界動向を知りたい(本)
・「業種別審査事典」((一社)金融財政事情研究会)
・「業種別業界情報」((株)経営情報出版社)
●創業の相談をしたい
・中野区産業振興センター「創業・経営相談」
・東京商工会議所中野支部「相談窓口」
●創業のセミナーを受けたい
・中野区産業振興センター「なかのビジネス創造塾」
・東京商工会議所中野支部「中野de創業塾」
NPO法人中野中小企業診断士会 近藤有希子