-第57回-
事業に必要な資金を調達する(2)
- クラウドファンディングとは -

クラウドファンディングって何?と思われる方も多いと思います。
クラウドファンディングとは、銀行や投資家からではなく、志に共感した不特定多数の人からインターネットを通じて少額の資金を調達する手法です。
企業がクラウドファンディング を活用して資金調達を行う場合、資金調達手法により異なりますが、
一般的に、①資金調達サイト掲載申込、②資金調達サイト運営者による審査の通過、③資金募集ページの作成、④資金募集の開始、⑤資金調達の達成、⑥プロジェクトの実行、⑦出資者に対する見返りの提供というプロセスを経ることが考えられます。

様々なサイトがありますので検索していただければと思います。
クラウドファンディングには以下の4つの種類があると言われております。
■クラウドファンディングの5つの種類
 ① 購入型    支援者へ物品などを提供
 ② 寄付型    支援者へ見返りなし
 ③ 融資型    支援者へ元本と利子を提供
 ④ 事業投資型  支援者へ株式や配当を提供

上記の中で、③融資型と④事業投資型は、法律上での規制がありますので今回のご紹介からは省き、①購入型と②寄付型についてご説明したいと思います。

 まず購入型ですが、日本でもっとも主流なのは資金の見返りに。物品などのリターンを支援者に送付する購入型です。
例えば、時計屋さんを中野にオープンするために資金を集めるとします。その場合、5000円支援してもらえたらオリジナル時計バンドをお渡しする、
20,000円支援してもらえたら永久会員特典付きオリジナル時計をお渡しすることを支援者に約束し資金調達をします。見返りを渡すことにより資金を調達する方法なのです。
 一方、寄付型ですが、共感を得ることにより見返りを渡すことなく資金調達をします。
例えば、「自分の図書室を中野に作りたい、中野に言ったときに気軽に立ち寄れる、仕事帰りでも立ち寄り本が借りられる図書館があったらいいな」というコンセプトを支援者に伝え、
そのコンセプトに共鳴した人々が見返りなしに資金を拠出します。すなわち、いかに支援者の共鳴を引き出すかが資金調達のカギとなるのです。

一つの事例として、ある姉妹が、「少し新しい「イナカ」づくり 築100年の古民家を双子姉妹が宿にリノベーション!!」というプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングを利用した事例をご紹介します。
結果として、100人の支援者から、892,360円を集めることに成功し、夢の古民家宿を2014年10月にオープンすることができました。
古民家宿LOOF http://loof-ashigawa.com がそのサイトですのでご覧いただければと思います。

 このように、ITが発達したことにより様々な資金調達の手法が現れており、今後更に発展していくことが予想されています。創業をお考えの方で、共鳴を引き出せるような事業をお考えの方はご検討してみることも一計かと思います。

 自己資金、借入金、クラウドファンディングといった資金調達の手段についてお伝えしてまいりました。今後創業にあたり、ご自身の事業に適した資金調達の方法を更に研究していただければと思います。

NPO法人中野中小企業診断士会 堀川一