-第181回-
対象顧客を具体化できますか?(2)
- ペルソナ、カスタマージャーニー・マップを描いて有効なアクションをとる -

前回はペルソナ(自社の商品・サービスの典型的な顧客像)の設定についてご説明しました。ペルソナを設定したら、カスタマージャーニー・マップを作成します。

1.カスタマージャーニー・マップとは?

ペルソナを設定したら、カスタマージャーニー・マップを作成します。カスタマージャーニー・マップとは、実際に顧客がどのように自社の商品やサービスにアプローチし、どのように使うのかの最も典型的な例をプロセスに沿って図で示したものです。

これにより、より顧客目線で商品やサービスの内容を検討したり、マーケティング手段を講じたりすることができます。

<カスタマージャーニーの具体例>
・20代のOLが休日に着る服
・「興味・関心」「比較・検討」「購買」「着用」「共有」の5段階ごとに、顧客の行動や思考・感情などを記載する。
※実際のマップについては、下記を参照。
https://drm.ricoh.jp/lab/glossary/g00053.html

2.カスタマージャーニー・マップの注意点

 良いカスタマージャーニー・マップの条件と、悪いカスタマージャーニー・マップの例は、次のとおりです。

<良いカスタマージャーニー・マップの条件>
・機会の要点を示す適切な要素が各ステップで述べられていること
・機会の全体像が理解できるように、始まりと終わりの範囲が適切に設定されていること
・提供物に加えて気持ちの変化が記述されていること

<悪いカスタマージャーニー・マップの例>
・重要な部分が抜けていたり、要素が冗長に説明されていたり、要素の選択が不適切なもの
・始まりと終わりの範囲が不明確、あるいは不適切なもの
・提供物のみ、あるいは気持ちの変化のみの記述に留まり、両者の関係が明確でないもの

3.「顧客の見える化」で価値を高め、具体的に提示する

ペルソナやカスタマージャーニー・マップは、「顧客の見える化」のツールです。社内で共有し、「もっと商品・サービスを充実できないか」「もっと有効なマーケティング策を講じられないか」についてチームで検討することで、顧客への価値を高めることができます。
また、見込み顧客に対し、提供できる顧客価値を具体的に示すことができるので、顧客への訴求を高めることができます。

NPO法人中野中小企業診断士会 三枝元