-第190回-
会議の生産性をあげるためのコツ(1)
- だらだら会議をなくす4つの条件 -
だらだらと続く会議は誰にとっても嫌なものです。「日本人は会議の開始時間は守るが終わる時間はルーズだ。これでは開始時間がルーズなイタリア人と同じではないか」という指摘もあります。今回は会議の生産性を上げる方法について考えてみましょう。
1.ルールや事前準備事項を決めておく
ダラダラと続く会議の特徴には、次のようなことが考えられます。
・各人で前提条件や認識がバラバラで意見が拡散する。
・事前に資料に目を通していない人がいて、話がループする。
・着地点がはっきりしないので、みんなが好き勝手な話をする。
「会議の生産性を上げる=限られた時間で成果を出す」ためには、会議にあたってのルールや事前準備が必要になります。たとえば終了時間(全体時間)を決めておけば、それだけ無駄な議論はなくなりますし、事前資料の確認については、必ずあらかじめ各自でやっておくことをルール化しておきます。共通認識については、会議を始める前に議長かファシリテーターが再確認するステップを組み込んでおくとよいでしょう。
2.会議の達成目標を設定する
おおよそ会議の目的は次のとおりでしょう。
① 決断する
② 問題点や不足、課題の洗い出しをする(リストを作る)
③ 情報共有する
④ 合意する=説得する=納得してもらう
⑤ 段取りや役割分担など、次のステップを決める
よくあるのが、会議の議題の一覧だけ先に述べて、達成目標がないというものです。
<本日の議題>
・来月の○○発売3周年記念イベントについて
・先月発売された○○の販売実績の報告
・来月実施予定の市場調査の方法について
これでは、みんながなんとなく話をして自己満足に終わるか、「結局、何のために集まったんだっけ」ということになりかねません。
会議とは基本的には「何かを決める場」であり、決定事項が成果ですから、意思決定の達成目標を明らかにしておく必要があります。よく各メンバーが現状の報告をだらだらとすることがありますが、報告だけなら会議の前にメールや掲示板、社内データベースへの格納などでできるはずです。先の例でいえば、次のような会議の達成目標を明らかにしておくとよいでしょう。
<本日の達成目標>
・来月の○○発売3周年記念イベントの、メインの出し物の案出し
・先月発売された○○の販売目標未達の理由の共有と今後のテコ入れ策の決定
・来月の市場調査の詳細の最終確認
NPO法人中野中小企業診断士会 三枝元