-第79回-
事業計画書を作ろう(1)
―事業計画書作成の3つのメリット―

事業計画書は、ご自身の頭の中にあるビジネスアイデアやビジネスプランを実現するために作る企画書のようなものです。

事業計画書作成は、経営戦略、マーケティングや会計の知識が必要なことから「事業計画書=難しい」と思っている方も多いと思います。しかしながら事業計画書の作成は、ご自身のビジネスにとってメリットが大きく、是非挑戦していただきたいことです。なぜなら事業計画書なしにビジネスを始めることは、ビジネスの成功に大きく影響するからです。

1.ビジネスプランが形になる
ご自身が日々頭の中で考えているビジネスアイデアやプランを事業計画書に書き込んでいくことによって、考えが目に見える形になり、客観的に自分のビジネスを評価できるようになります。思わぬ不備の発見や、さらなる良いアイデアが浮かんだりします。このように頭の中にあるビジネスプランを「見える化」することで、ビジネスプランのブラッシュアップに繋がります。

2.ビジネスの目標、方向性が明確になる
ビジネスプランの「見える化」は、ビジネスの目標、方向性を明確にします。事業計画書によって「何を」「いつまでに」「どのように」やるのかが定まります。目標、方向性が明確になることで、ビジネスの成功の確率がグッと高まります。

3.融資や補助金などの資金調達に繋がる。
業種にもよりますが、ビジネスを始めるには大きな資金が必要な場合があります。そのために金融機関から融資を受けたり、補助金を獲得したりするわけですが、これらの申し込みには事業計画書の提出が必要になります。各自様式は異なりますが、記載する中身はほぼ同じものであり、事業計画書を作成しておくことによって資金調達のアクションが取りやすくなります。

(事例)事業計画書作成で自分のビジネスの不備に気付くことができたAさん
創業塾に参加したAさんは、そこで事業計画書の作成をすることになりました。作成を進めていくと、販促などを深く考えていなかったことに気付き、また売上の見通しなどもかなり甘いことが判明しました。「創業前に気付けて良かった」とAさんは言い、今新たに練り直したプランの元、事業計画書作成に取り組んでいます。

この事例のように、ビジネスの準備段階での事業計画書の作成は、気付かなかった不備や修正点の発見に繋がり、ビジネス成功の確率を高めるのです。

次回は事業計画書を作成する際に気を付けるべき3つのポイントについて述べたいと思います。

NPO中野中小企業診断士会 石川拓也