-第22回-
資金管理の重要ポイント(1)
~事業を継続するために大切なこと~
今回のテーマは「資金管理」です。なんとなく、堅苦しく難しいそうなイメージをされる方が、多いのではないでしょうか?でも事業を行っていくうえでは、とても大切なことで実施していないと大変なことになることもありますので、是非、参考にしてください。
一般的に「資金管理」とは、「事業のための資金を調達し、その資金を事業に回して利益を得て、そして再度資金を事業拡大に回していく」この流れを管理していくことです。これは、みなさんのご家庭でも同じことが行われています。家計簿で入出金を管理して、毎日の生活資金をまかない、さらに貯蓄を行って子供の学費を準備したり、老後の資金を準備したり。
しかし、企業においては、個人の給与のように必ず決まった日に決まった金額が入ってくるとは限りませんので、しっかり管理していかないと、大変なことになることがあります。以下、事例でご説明いたします。
【事例】
現金で商売している会社があります。
売上 1,000万円-(仕入500万円+人件費300万円+経費100万円)
=利益100万円
この場合は、利益も現金も100万円残ります。
これは、利益も現金も同じでわかりやすい状態ですね。。
では、売上1,000万円の入金が、翌月500万円、翌々月500万円
になった場合はどうなのでしょうか?
税理士さんが作成する試算表は、上記と同じ計算になり、利益100万円になります。
ところが、実際に当月の現金の動きを見ていくと
売上 0円-(仕入500万円+人件費+300万円+経費100万円)
=現金不足900万円
利益が100万円なのに、現金不足が900万円になってしまいます。このままでは、取引先に支払ができず、信用がなくなり今後の取引に支障をきたし、さらに、給与が払えないので従業員もやめてしまいます。
1,000万円は消えてしまったわけではありません。来月500万円、翌々月500万円入金されるのです。つまり、支払うべき期日にないだけです。
だからこそ、お金の管理をしていかないと、信用がなくなり事業を続けられなくなりますので、ご注意を。
次回は、「入金・支払の期日を交渉しましょう」をお伝えします。
NPO法人中野中小企業診断士会 小泉悟志