-第141回-
優秀な人材の確保と活用で人手不足を解消する(2)
-年齢や勤務時間にこだわらず多様な人材の確保と多様な働き方ができる職場にする-

前回は、「年齢や性別にこだわらず多様な人材を確保して活用すること」をテーマにして記述しましたが、多様な人材を確保するためには多様な働き方ができる職場に変換することが必要になってきます。今回は「多様な働き方ができる職場に変換すること」をテーマに記述します。

〇多様な働き方ができる職場に変換することで、優秀な人材が確保できます

 働き方改革に取り組むことで業績を上げている多くの企業の事例が厚生労働省等のホームページでも紹介されています。近年、働き方改革に取り組むことで優秀な人材が確保でき、社員の満足度やモチベーションを高めて業績を向上させている企業が増えています。ホームページなどで様々な事例が発表されていますので是非参考にされ、活用してみてください。比較的取組みやすい方法として下記のような取り組みを考えられてはいかがでしょうか。

(1)再雇用者や嘱託雇用者、育児休暇後等に1日2~3時間の短時間勤務を可能にする
優秀な社員をいつまでも活用していくためには、相手に合った働き方を考える必要があります。
(2)非正規社員のミニボーナス制度を導入し、モチベーションアップや定着率を高める
非正規社員のモチベーション向上策として多くの企業で導入されています。
(3)短時間社員制度等を導入し、育児や介護などでの離職の防止や技術伝承等に活用する
今後は育児だけでなく介護で働く人が増えてきますので、導入を考えたい制度です。
(4)育児や介護や自己研鑽等でも短時間勤務を可能にする短時間社員制度を導入する
資格取得等の自己研鑽や副業・兼業を考える人が増えていますので、役立つ制度といえます。
(5)社員と優秀なパートタイマーとの格差を解消してパートの有効活用を進める
優秀なパートタイマーに社員並みの役割をしてもらうために考えたい方法です。
(6)在宅勤務やリモートワーク(モバイルワーク)が活用できるよう工夫する
そのためにはIT化を進めることが必要になりますが、IT化補助金の活用を考えてみてください。
(7)評価基準や昇進・昇給基準を明確にし、努力が報酬に反映される仕組みに改善する
年齢や経験ではなく、努力や成果に報いる仕組みの検討が必要になっています。
(8)等級やレベルに応じたスキルの基準を明確にし、研修や自己啓発を推進する
厚生労働省のホームページに職業能力評価基準の一覧が公表されていますので、参考にしてみてください。
<参考サイト>
職業能力評価基準について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/ability_skill/syokunou/index.html
モデル評価シート・モデルカリキュラム一覧表
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000127397.html

NPO法人中野中小企業診断士会 月原弘