-第82回-
ほぼ無料で宣伝できる、プレスリリースを活用したPRのススメ(2)
~ メディアに取り上げてもらうためのプレスリリースのコツ ~
前回は、プレスリリースを活用したPR(広報)の概要についてお伝えしましたが、今回はその書き方や取り上げてもらうためのコツについて、ご紹介します。
# 書き方のコツ #
一番重要なポイントが、できる限り「簡潔に、分かりやすく」しかし「目立つように」まとめることです。記者の立場に立って、分かりやすく、しかもキラッと光るプレスリリースにするには、以下の点に注意してください。
(1)まずは強みやお客様のメリットを整理する
プレスリリースを書き出す前に必ず実行してほしいのが、強みやお客様のメリットの整理です。限られた文章の中で特長を伝えるには、しっかりと頭を整理することが重要です。一度整理しておけば、チラシやWebサイトを作る際にも同じ内容が利用でき、統一されたメッセ―ジによるブランディングが期待できます。
(2)言いたいことは最初の1段落で
媒体の大きさによりますが、記者は毎日数百、数千のプレスリリースに接しています。その中で自分の求める情報を探すとなると、最初の数秒で中身をチェックする必要があります。忙しい記者が数秒でチェックするのですから、最初にインパクトが無いと素通りされてしまいます。
(3)値を使ってインパクトを
「従来から80%の性能アップ」、「利用者の90%がリピート」など、数値を使うと、インパクトと説得力が高まります。
(4)あまり勢い込まずに
自社製品をアピールしたい気持ちはわかりますが、「圧倒的」「画期的」など、一方的で定性的な表現は避け、事実を事実として淡々と伝えたほうがウケがいいようです。
(5)「初モノ」「季節モノ」は狙い目
記者が記事にしやすいのは、「業界初」や「日本初」といった初モノです。そこまで画期的な初モノは難しいとしても、「東京初」や「中野初」など、ターゲットやエリアを絞って考えてみましょう。また、「9月限定」や「紅葉シーズン」といった季節モノも、季節の風物詩と合わせて紹介してもらえる可能性があります。
# 取り上げてもらうためのコツ #
会社としての知名度が低い中小企業が、独自で頑張っていろいろな媒体にプレスリリースを送っても読んでもらえる可能性は低いのが現実です。そこで利用したいのが、プレスリリース配信サービスです。様々な業種の企業のプレスリリースを新聞、雑誌、テレビ局などに配信してくれるサービスを利用すれば、新聞社やテレビ局に取り上げてもらえることも夢ではありません。配信サービスの中には、文面のチェックをしてくれるものもあるので、慣れていなくてもフォローしてくれます。
今回は配信サービスの中から、オススメを2つ。
(1)創業間もない企業向け: 『PR Times』
会社設立から24ヶ月以内の企業は、毎月1回プレスリリースを無料で配信できます。
比較的簡単に達成可能なミッション(条件)が設定されていますので、詳しくは以下のリンクを参照ください。
https://prtimes.jp/startup_free/
(2)東京商工会議所会員企業向け:『プレスリリースサポート』
会員限定サービスですが、大手ニュース配信会社である共同通信社のグループ企業「共同通信PRワイヤー」が、基本料金無料、配信料金のみ(41,040円/税込)で利用できます。共同通信の知名度と配信網が活用できるのが魅力です。
https://www.tokyo-cci.or.jp/market/press_support/
最後に、
プレスリリースに限らず、マーケティングの基本はトライ&エラーです。万人に共通の正解は、マーケティングには存在しません。仮説を立ててお客様やメディアにアプローチし、その結果を分析・反省して次の施策につなげる。プレスリリースは、タイミングや他の大きなニュースの有無でも、取り上げてもらえるかどうかは左右されます。1回や2回で諦めずに継続して配信することで、記者に貴社の存在を知ってもらうことができれば、掲載の可能性も上がっていきます。ほぼ無料で宣伝できるマーケティング・ツール【プレスリリース】を活用して、自社や自社製品のPRにチャレンジしてみてください。
NPO法人中野中小企業診断士会 木佐谷 康