-第72回-
ビジネスアイデアを考えよう(2)
―視点を変化させ新たなビジネスチャンスを作り出す―
前回は、ビジネスアイデアを生み出す考え方として、「ビジネスを3つの視点で捉え、その視点を変化させることで新しいアイデアを生み出す」という手法を紹介し、まずは、第1の視点「Who(誰に)」という視点をお話ししました。
今回は残りの2つの視点「What(何を)」「How(どのように)」について述べていきます。
ビジネスを捉える3つの視点その2
「What(何を)」
第2の視点は、「何を」と言う視点です。ビジネスをやるうえで一番重要な視点だと思いますが、ご自身がどのような商品・サービスを提供するのかというものです。以下のように視点を変化させていきます。
1.今いるお客様にさらに提供できる商品・サービスはないか
2.今ある商品・サービスに付属して提供できる商品・サービスはないか
3.今ある商品・サービスを改良、改善して提供できないか
ビジネスを捉える3つの視点その3
「How(どのように)」
第3の視点が、「どのように」という視点です。これはご自身の商品・サービスをどのような形で提供していくかというもので、提供の方法だけでなく、価格など幅広く考えていく必要があります。代表的なものが以下のような点で、これらを変化させていきます。
1.商品・サービスの提供方法(実店舗での販売、インターネット販売)
2.商品・サービスの販促方法(広告媒体、広告方法)
3.商品・サービスの価格(低価格なのか、高価格なのか)
(事例)新たなメニュー開発により繁盛店に成長したB焼肉店
A焼肉店は、ランチタイムでのハンバーグの提供を始めたところ、「焼肉店のハンバーグ」は徐々にクチコミで広がり、ランチタイムには行列のできる繁盛店に成長しました。この効果でディナータイムに訪れるお客様も増えています。
これは先に示した視点2の「何を」に注目した好事例ですが、A焼肉店は、視点3の「どのように」にも注目し、ハンバーグのテイクアウトやインターネットでの広告などにも挑戦する予定です。
今回はビジネスを3つの視点で捉えて、各視点の組み合わせを変えていくことによってビジネスアイデアを生み出していく考え方をお伝えしました。まずは周りにある様々なビジネスを3つの視点で捉えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
また常日頃から今世の中で何が流行っているか、どんなものがうけているのかといった情報に常にアンテナをはることが重要です。新聞やインターネットで情報を集めることはもちろんですが、普段の生活の中でもコンビニなどよく行くお店の商品ラインナップからでも世の中のニーズを知り、各視点の引き出しを増やし、様々な組み合わせのバリエーションを考えてみてください。
この中から思わぬビジネスアイデアが生まれるかもしれません。
NPO法人中野中小企業診断士会 石川拓也
中野区産業振興センターでは、創業希望者のための6回連続講座(6/16・6/30・7/14・7/28・8/18・9/1)を実施します。これから創業をお考えの方、後継者育成をご検討のは是非ご活用ください。6/30の回は「ビジネス発想力強化」がテーマです。
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