-第58回-
創業期に行いたいWebを活用した販路開拓(1)
- 無料でできる!Webサイト制作のサービス -

販路開拓には、“広げる”と“深める”の2つの目的があります。

“広げる”とは、商品・サービスを知っている人を増やし利用に繋げ、新規顧客を獲得することです。
“深める”とは、商品・サービスをより理解してファンになってもらい、何度も利用してもらえるリピート客を獲得することです。
近年では、SNSなどを活用した口コミ効果が大きな影響を与えるため、ファンが新規顧客を引き寄せることもポイントになってきます。

今回は、“広げる”ための販路開拓手法の中から、創業期に行いたいWebを活用した取り組みを紹介していきます。

昨今はホームページ(以下、HPと記載)を立ち上げる事業者がほとんどで、創業時に準備しようと考えている方が多いことでしょう。
また、HPとは少し役割が異なるランディングページ(以下、LPと記載)を作る事業者も増えてきています。

LPは、大きく括るとHPと同じWebサイトという分類ですが、目的や構成が異なります。
HPでは、企業情報、取扱商品やサービスなどの情報提供が主な目的であり、複数ページにまたがって構成するため、体系的な理解が期待できます。
一方LPでは、1つの商品・サービスに特化した内容について、縦長1ページでスクロールさせる構成になっています。
同一ページ内でお客様に欲しいと思わせ、お客様からの行動(購入、問い合わせ、資料請求、会員登録など)に繋げることがLPの目的となります。

一般的なサイトであれば10万〜30万円程度で専門業者へ依頼できるようになりました。
しかし、なるべくお金をかけずに事業をスタートさせたい、というのも創業者の実情です。

そんななかで活用できるのが、技術・知識・経験がなくても簡単に、しかも安価に作れる作成サービスです。
HP制作では、【Jimdo】、【Wix】のようなサービスがあります。
そのほかに、ブログ運営を基本とした【Wordpress】はカスタマイズがしやすく、運営もしやすいためオススメです。
EC(ネット通販)機能を持つページが必要な場合は、【BASE】や【STORES.jp】というサービスで簡単に作ることができます。
LP制作では、【ペライチ】などがあります。
こうしたサービスは無料プランが基本ですが、ホームページアドレスを自分で決められなかったり、他社広告が表示されたり、機能が制限されたりするため、月額数百円〜数千円の有料プランを選ぶこともできます。

ここで、ハンドメイド商品販売で創業したAさんの事例を紹介します。
Aさんは、もともとハンドメイド商品の大手販売サイトでの販売実績がありましたが、創業に伴い自分の商品サイトを作ろうとしていました。
資金面の不安から極力出費を抑えたいということでしたので、上記で挙げたような無料サービスを使って、HPの必要性や有効性を確かめてはどうか、と提案をしました。
そこでAさんは、主要な販売ルートは現状のまま大手サイトに任せ、【Wix】を使って自分で作ったHPと、【BASE】で作ったECサイトをリンクさせました。
それらのサイトを【Instagram】などのSNSの投稿と連動させ、アクセスを増やしていきました。
Aさんのように、創業期は無料サービスだけで販路開拓を進めることが可能ですので、ぜひ積極的にご活用ください。

最後に今回ご紹介したサービスサイトのURLを記載しますので、気になったものがあればアクセスしてご覧ください。
【Jimdo】https://jp.jimdo.com
【Wix】http://ja.wix.com
【Wordpress】https://ja.wordpress.com
【BASE】https://thebase.in
【STORES.jp】https://stores.jp
【ペライチ】https://peraichi.com

次回は、Webサイト活用にあたっての注意点をお伝えしていきます。

NPO法人中野中小企業診断士会 眞本崇之