-第56回-
事業に必要な資金を調達する(1)
- 創業資金アラカルト -

創業における資金調達の方法はどのようなものがあるかご存知でしょうか?
返済は必要な資金調達の方法と返済が不要な資金調達の方法があります。
まず、返済不要な資金調達の方法として、自己資金や補助金、あれこれそしてビジネスコンテストなどの賞金、
クラウドファンディングなど返済を伴わない資金調達の方法があります。
補助金に関しては、1月予定の補助金・助成金を活用するというテーマのときにお話いたします。
また、ビジネスコンテストなどの賞金を創業時の資金に充てることが可能な方は少ないのでここでは取り扱いません。
一方、借入金等は創業後返済することが必要となります。
そのため、資金を貸し出す金融機関などは慎重に事業計画や創業者が創業に適した人物かを審査します。

今回は、この自己資金と借入金についてお話し、次回はクラウドファンディングという新しい資金調達についてお話したいと思います。

 では、自己資金についてですが、自己資金がどのくらいあればよいと思いますか?
ある研究所の2014年度の調査によると、創業資金調達額総額に占める自己資金の割合は24%程度です。
ですから、目安として自己資金を創業にかかるお金の3割程度を用意することを目安にしていただければと思います。
しかし、事業には不意の出費がある場合がほとんどですので、4割程度の自己資金を用意することをお勧めします。

 一方、借入金ですが、現在は低金利ですので金利の負担はすくないですが、
借入先金融機関を選別し、制度融資を利用することにより更に有利な資金調達をすることが可能です。

例えば、2016年度の中野区の創業支援資金は、創業を予定されている方と創業して1年以内の方が対象です。
中野区が金利の一部、場合によっては全てを補給しますので大変有利な制度です。
中野区産業振興センターの窓口でご相談されることをお勧めします。

例えば、整骨院を創業されたAさんは、すでに他の店舗で経験を積まれていました。
しかし、自分の店舗を開業するにあたり、金融機関に提出する創業計画の書き方はよくわからなかったそうです。
産業振興センターの窓口に足を運び、様々なアドバイスをもらい無事金融機関からの借入ができました。

このように、中野区の制度融資とはいえ、金融機関や信用保証協会の審査が必要になりますので、
創業計画や収支計画などの提出が望まれますが、作成の助言もしていただけますので安心して相談していただければと思います。

次回は、クラウドファンディングについてお伝えいたします。ご興味の方は是非ご覧いただければ幸いです。
NPO法人中野中小企業診断士会 堀川一