-第206回-
知らないと損する!創業に役立つ情報とその収集方法(1)
-創業前に知っておきたい3つの情報-
創業したいと思ったら、まず、あなたはどうしますか。創業に関する情報を集めようとすると思います。でも、どこにどんな情報があり、どうやって調べたらいいのかよくわからない方が多いのではないでしょうか。
このコラムでは、そんな方に向けて創業に役立つ情報とその収集方法を2回にわたってご紹介いたします。
今回は、創業前に知っておきたい3つの情報を取り上げます。それは、「創業の基礎知識」「業界動向」「創業支援策」です。1つずつ見ていきましょう(船出に例えました)。
(1)創業の基礎知識…船出のための「知識(武器)」を身に付けておく
創業を思い立ったときに、まず知りたいことは「創業するにはどうしたらよいのか」でしょう。創業前に知っておきたい基礎知識には下記のものがあります。
・創業の心得
・創業のメリット・デメリット
・創業に必要なスキル、許認可
・創業の手順、会社設立方法
・創業にかかる費用
・創業計画書の作り方 等
(2)業界動向…これから船出する「世界」を知っておく。
既にその業界で仕事をされてこられたうえで創業を考えている方も多いと思いますが、改めて経営者としての視点に立って、これから創業しようとしている業界は今どんな状況なのか知っておく必要があります。例えば下記です。
・業界の特色(提供している商品・製品あるいはサービスやその特徴など)
・業界の市場規模(業界全体でどれくらいの売上高があるのか)
・業界の現況(現在その業界はどのような状況にあるのか)
・環境変化による影響(経営に影響を与える社会環境は何か)
・課題や展望(業界が抱えている課題や今後の見通しは)
・将来性(将来的に有望な業界なのか) 等
現在は新型コロナウィルス感染症、ウクライナ情勢など社会不安が大きい時代です。また、AIの発達により仕事が減ってしまう業界もあり得ます。DX、SDGsなどへの対応も求められるなど、社会環境の変化も著しい状況です。
そんな中、業界の動向を創業前に把握しておくことは非常に大切です。
(3)創業支援策…船出を支える「助け」を知っておく
創業は自分一人で行うものと思っている方が多いと思いますが、現在では国や市区町村、そして各中小企業支援機関がいろいろな支援策を用意しています。例えば、下記です。
・創業相談窓口
・創業セミナー
・創業の補助金・助成金、優遇措置
・税制の優遇措置
・創業融資 等
創業前にこれらの支援策を知っておくことで、スムーズな創業につながったり、創業の手間や資金を節約することができる可能性があります。
次回は、具体的な情報収集方法や情報源を見ていきましょう。
NPO法人中野中小企業診断士会 近藤有希子