-第204回-
生成AI(ジェネレーティブAI)の活用(1)
-シンギュラリティが早まる可能性がある中で-
シンギュラリティとは人工知能が人間の知能を超える時点のことですが、筑波大学の落合陽一氏が、それが2025年に来ると主張する動画を見ました。彼はデジタルネイチャーという概念を提唱し、音楽や論文などを数秒で作れるようになると予測しています。
みなさんは生成AI(ジェネレーティブAI)という言葉をご存知でしょうか?
ジェネレーティブAI(generative AI)とは、生成AIとも呼ばれ、扱うタスクは画像生成に限らず、文章生成、音楽生成、図面生成などを含めた「0から1を生み出すAI」のことを指します。生成AIによって市場が大きく変わると報告したガートナー社は、生成AIを「コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウトプットを生み出す機械学習手法」と定義しています。
2025年にシンギュラリティが起こるか否かは不明確でありますが、最近話題のChatGPTは生成AI(ジェネレーティブAI)であり、今までの人工知能とはかなり相違しています。
現時点ですが、社長の皆様が理解しておいた方がよいとみられる生成AIの特徴を以下の通り列挙いたします。
1.学習による高度な予測能力
生成AIは、過去のデータを学習し、新しいデータに基づいて高度な予測を行うことができます。例えば、顧客の嗜好や需要予測など、生成AIを利用することで、より正確な予測が可能となります。
2.自律性
生成AIは、一度学習すれば、その学習結果をもとに自律的に行動することができます。これにより、自動化された業務を実現することができます。
3.大量のデータ処理能力
生成AIは、短時間で膨大な量のデータを処理することができます。例えば、膨大な量の画像や文章から、特定の特徴を抽出することができます。
4.人間にはない創造性
生成AIは、独自の創造性を持っており、新しい画像や文章を自動的に生成することができます。これにより、新しいアイデアを生み出すことができます。
5.説明可能性の欠如
生成AIは、高度な予測能力を持っている一方で、その結果の説明が困難な場合があります。そのため、生成AIを利用する際には、結果をどのように利用するか、また、どのような前提条件で学習を行っているかなど、十分に考慮する必要があります。
以上が、社長の皆様が理解しておくべき生成AIの特徴です。生成AIを利用する際には、これらの特徴を把握し、適切な使い方を考慮することが重要です。次回は生成AIの活用事例を説明していきたいと思います。
NPO法人中野中小企業診断士会 堀川 一