-第54回-
夢をカタチに近づける創業計画書作成のコツ(1)
- 創業計画書の作成目的と重要性 -
区役所の相談員や補助金申請のお手伝いをしていると、創業へ向けて意欲的で素晴らしいアイデアをお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。
一方、それを創業計画書にまとめる段階で苦労している方が多いことも事実です。とはいえ、スムーズな創業と事業の成功のためには、創業計画書の作成は大変大事です。
そこで、今回から2回にわたり、創業計画書の書き方のコツをお話します。
事業内容や必要資金額が具体的に決まらなければ、創業計画書を完成させることはできませんが、創業計画書に何を書けば良いかを理解し、それを一つずつ考え、決めていけば良いのです。
つまり、創業計画書を作る準備をすることで、創業までに考えなくてはならないこと、決めなくてはならないことを明確にすることができると言えます。
創業計画書は創業支援資金申込みにも必要ですが、自己資金だけで創業する場合でも作成すべきです。
その理由は、創業計画書を作る過程で必要な準備の漏れが見つかったり、計画が具体的でない部分が明らかになったりするためです。
また、創業計画書を作っておけば、創業後もそれと照らし合わせて計画通り順調なのか、計画通りでないとすればどこが違っていたのかなど反省し、
その後の軌道修正もしやすいでしょう。ですから、創業計画書の作成はすべての創業者にとって必要なことと言えます。
例えば、趣味のパンづくりを仕事にすることが夢だったAさん(42歳女性)の例です。
Aさんは、あるとき友人に誘われて行政機関主催の創業スクールに参加し、そこで創業計画書の書き方を学びました。
スクール卒業後も専門家のアドバイスをもらいながら、創業計画書を何回も書き直し、計画を具体化させていったのです。
そして、ついに自宅を改装してパン教室を始めることができ、生徒も口コミで集まるようになりました。
さて、創業計画書には何を書けば良いのかということですが、まずは中野区の創業支援資金申込みの際に必要な「創業計画書」の書式と記入例を見てみましょう。
書式は下記の区のホームページからダウンロードできます。
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/162000/d014367.html
実際にこの書式に記入し、漏れの無いように埋めることで創業計画書を完成させることができます。
最終的に融資を申込むかどうかは別にして、区の創業支援資金申込みに必要な書式で創業計画書を作成してみると良いでしょう。
実際に創業計画書を書く際に、特に工夫が必要なのは、中野区の創業計画書の書式でみると、「1.事業内容等」、「6.収支計画」の2つの部分です。
次回は、それぞれの部分の中から、特に重要な項目について書き方のポイントを簡単に説明いたします。
NPO法人中野中小企業診断士会 大西俊太