-第218回-
生成型AIとは(1)
-活用すべきその理由は-

みなさんは生成型AIという言葉をご存知でしょうか?
生成型AIとは、与えられた入力データから新しいデータを生成することができる人工知能の一形態です。テキスト、画像、音声、ビデオなど様々な形式のコンテンツを自動生成することができます。生成型AIは、インターネット上などの大量のデータを学習し、その中に存在する潜在的なパターンや規則性を抽出し、入力された情報に対して最も確からしいコンテンツを生成します。例えば、大量のテキストデータから文法や単語の使い方を学び、その知識を元に新たな文章を作成することができます。

その生成型AIを中小企業の経営者が活用すべき理由を3つにまとめて紹介します。

①労働力不足の解決
現在、労働力不足が深刻な問題となっています。労働人口の減少や最低賃金の上昇により、中小企業は労働力を確保することがますます困難になっています。しかし、生成型AIを活用することで、労働力不足を解決することができます。文章の生成や業務の効率化・自動化が可能となり、労働力不足の問題を軽減することができます。

②情報技術の進歩への対応
情報技術は驚くべき速さで進歩しています。現在の最先端のパソコンの処理能力は人間の脳を超えているといわれており、いつの日か全人類の脳を超えると言われています。このような急速な進歩に対応するためには、生成型AIの活用が不可欠です。中小企業が競争力を維持し、経営を継続させるためには、生成型AIの導入が必要となります。

③社会や経済への影響の可能性
生成型AIは社会や経済に大きな影響を与える可能性を秘めています。過去にはパソコンやインターネットの普及による情報革命がありましたが、生成型AIも同様の可能性を持っています。文章生成だけでなく、画像生成やプログラミング作成も可能です。また、他のアプリと連携させることでさらなる威力を発揮します。
例えば、音声認識アプリとChatGPTを連携させると、音声で質問することができ、文字入力の手間を省くことができます。また、検索機能のアプリとChatGPTを連携させれば、特定のフォルダ内の資料を参照して回答してもらえるアプリも開発されています。これにより、資料の検索にかかる時間を短縮し、効率的な業務遂行が可能となります。

このように生成型AIは情報革命に匹敵する技術革命を引き起こす可能性があります。生成型AIの進歩に対して初めは脅威と感じられるかもしれませんが、生成型AIが中小企業にとって大きなチャンスであり、会社の成長の起爆剤になると思われます。
生成型AIは今後ますます進化し、ビジネスにおいて重要な役割を果たします。ぜひこの機会に生成型AIの学習と活用を始め、中小企業の競争力を強化し、持続的な成長を実現させることをご検討されてはいかがでしょうか。

NPO法人中野中小企業診断士会 堀川 一