-第108回-
業務の自動化で効率を上げるRPA
-人手不足の救世主?-

働き方改革法案の成立により、今後、長時間労働を是正していく必要があります。すなわち、少ない時間で同じように仕事量をこなすことが必要になるのです。残業する時間に制限があれば、企業は人を雇うことで対応しようとするかもしれません。しかし、大企業は別としても中小企業の人手不足は現状深刻です。なかなか人を採用することができなくて困っています。

では、どのように対応したらよいのでしょう?
生産性を上げることで対応できる可能性があるのです。そのような人手不足の救世主になるかもしれないものが「RPA」です。(RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略でロボットによってホワイトカラーの単純な間接業務を自動化する技術のこと)
「RPA」とは、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも言い換えられ、人間の知能をコンピューター上で再現しようとするAI(人工知能)や、AIが反復によって学ぶ「機械学習」といった技術を用いて、主に事務処理的な業務を担うバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担います。工場で導入が進んでいる産業用ロボットのホワイトカラー版と考えればわかりやすいかもしれません。

たとえば、皆さんの会社においても、AさんがシステムⅠにアクセスし、データをダウンロードしてBさんにメールで送信する。Bさんは、そのデータをもとにEXCELで計算した値をシステムⅡに入力して、CさんにEXCELファイルをメールで送信する。CさんはシステムⅢにアクセスし、システム結果と受領したEXCELファイルを検証し報告書を作成するなどを行っていることがあるでしょう。定型的な作業にも関わらず、このようにファイルを開けたり、メールを送ったりすることに作業時間がとられています。
 「RPA」は、現在行っているこのような定型業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、様々はソフトウェアやアプリケーションを横断して処理の自動化を可能にします。そして、「RPA」は、365日24時間稼動することが可能ですので、人手不足への対応策と期待されています。
現在は、定型業務が大量に発生する大企業中心にRPAを採用されていますが、今後は人手不足が深刻中小企業へも広がっていくことが予想されます。

(事例)RPAを活用し業務時間を削減
ある専業メーカーA社の事例を紹介いたします。 A社は、IT部門を持っていないのですが、本格的にRPAに取り組みを始めてから約5ヶ月でのRPA導入実現でしました。A社の生産管理業務に関するものです。いままではExcelシート上の商品データから、商品コードや数量などのデータを基幹系システムに対して一つ一つ手入力していましたが、RPAを用いることにより全自動で入力できるようになりました。このRPAはさらなる改良を予定しており、最終的には年間200時間以上の業務時間の削減を見込んでいます。
IT部門がなくても、短期間で業務効率化が図れた事例もありますので、検討されてみてはいかがでしょうか。人手不足の解消への対応という点でも一考に値するのではないでしょうか。

次回はRPAでできることをさらにお伝えしたいと思います。

NPO法人中野中小企業診断士会 堀川 一