-第96回-
補助金や助成金を活用して経営力をアップする
-補助金や助成金を上手に活用するためのポイント-

「補助金や助成金を活用すると良いのは分かったけれど、どうすれば良いか分からない」
「調べてはみたけれど書類を書くのが面倒だし、誰に相談して良いか分からない」
「お金が出ることは分かったけれど、返さないといけないのでは?」

前回のコラムを読んで、こんな風に感じられたかも知れません。
安心してください。
補助金や助成金は基本的に返す必要はありません。そして、補助金や助成金を活用する最大のメリットはお金が出ることではないのです。

(事例)補助金の申請に踏み切ることで課題が浮き彫りになったC社
C社は、従業員5名の飲食店です。経営コンサルタントから補助金の存在を教えてもらい、申請をしてみることにしました。これまでは、数字に関しては全て税理士任せにしていましたが、初めて自分で毎日の売上をチェック、顧客にアンケートを取るなど様々な準備を進める中で、自分に不足していることが浮き彫りになりました。無事に採択されて補助金を活用することができましたが、「何よりも自分のお店を客観的に知ることが出来たことが宝物だ」と言って、データ収集を継続しています。

このように、お金以上に「自社の課題を客観的に把握できる」ことは経営力アップのために重要な要素となります。必ず採択されようと思えばハードルが上がりますが、「自社の課題を知るついでにうまくいけばお金が出る」くらいに考えておけば、ハードルも下がりますね。

(事例)専門家派遣をうまく活用して補助金申請をスムーズにしたD社
D社は、従業員3名の美容店です。補助金の存在を知り、活用しようと思いましたが申請書類の書き方が分からず困ってしまいました。商工会議所の専門家派遣を使おうとしましたが、補助金申請では使えないと断られてしまいました。そこで、知人の経営コンサルタントに相談したところ、「補助金申請以前の問題なので事業計画書の整備から行った方が良い」とアドバイスを受け、改めて専門家派遣を活用して事業計画書をブラッシュアップしていきました。事業計画書から転記できることが殆どだったので、スムーズに補助金申請につなげることができました。

このように、国や自治体が用意してくれている制度をうまく活用することで、補助金申請をスムーズに進めることができます。自社が取り組みたい事さえ明確になっていれば、専門家に相談すれば自分にあった制度を教えてもらうこともできます。
中野区では、窓口相談やどこでも出張相談という制度がありますので、ご利用をお勧めします。

どうしても自分で調べたいという方は、「中小企業ビジネス支援サイト」が便利です。
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/support/ 

NPO法人中野中小企業診断士会 鈴木佳文