-第85回-
超売り手市場での人材採用(1)
‐求職者の意識はどうなっているのか‐

私は人材の採用も手がけておりますが、今年は例年以上に売り手市場となっています。皆様も採用で苦労されているのではないでしょうか。どのように人材を採用していったらよいでしょうか。

まず、新卒学生の就職への意識を参考に、求職者の意識を把握したいと思います。

2018年卒マイナビ大学生就職意識調査によれば、学生の就職に対する意識の1位は「楽しく働きたい」(29.7%)でこの10年以上変わらずにトップです。2位「個人の生活と仕事を両立させたい」(26.2%)は5年連続で増加傾向にあります。ワークライフバランスの意識が学生にも浸透してきているようです。

企業選択のポイントは、「自分のやりたい仕事ができる会社(38.1%)」、「働きがいのある会社(15.1%)」がそれぞれ5年連続で減少し、「安定している会社(30.7%)」、「給料の良い会社(15.1%)」が2年連続で増加しています。

行きたくない会社については、「暗い雰囲気の会社(33.9%)」が18年連続で1位、ここ数年「残業が多い会社(14.5%)」、「給料の安い会社(14.9%)」が増加傾向にあります。給料や残業への学生の関心が高まっています。

企業規模については、「絶対に大企業がよい(12.4%)」、「自分のやりたい仕事ができるのであれば大企業がよい(40.4%)」と大企業志向が50%を超えている一方で、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい(36.1%)」、「中堅・中小企業がよい(7.1%)」と中堅・中小企業を志向する学生も40%以上存在します。

中堅・中小企業を志向する学生がこれほど多いとは心強いところです。学生に限らず、こうした潜在的な需要にいかにアピールするかが、ポイントとなります。

次回は、自社のアピール方法についてご紹介します。

NPO法人中野中小企業診断士会 田中浩二